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特集:「復興ボランティア白樺隊」が行く熊本県西原村(熊本第6回目)

春の復興支援から半年が過ぎました。

9、10棟を建てた先月の内容はこちらこちらです。

熊本での復興支援は第6回目となり、第11棟目、第12棟目を立てる運びとなりました。

前日の様子はこちら(11月11日11棟目)

二日目からの様子をお伝えします。(11月11日12棟目)

この日も西原村でのDIY復興ドーム作りとなりました。受取人の前田匠さんの家は、奥様とお義母さんの3人暮らし。昨年夏の城南地区で建てたDIY復興ドームを見て連絡をしたのがきっかけです。

自宅は被災して半壊したので取り壊し。今、農具を置いている場所に新しく家を建てる予定ですが、大工が足りずになかなか進まない状態とのこと。 1年3ヶ月経った今もなお前田さん夫妻は仮設住宅で暮らしていますが、お義母さんはどうしても仮設では暮らしにくいというので家に残ることになりました。

左が前田さん。話を聞いているのは株式会社ユニバァサル設計九州支社から来た海野陽さん。福岡出身ということで九州への地元愛も強く、今回の復興支援に参加することを決めました。

別のボランティアの方々の協力により造られた廃材を利用してできた家屋です。屋根はトタンですが、中の部分は断熱材を厚く入れており、寒さは十分に凌げるとのこと。とはいえ、夜に一人でこちらでいるのはご家族としても不安なことでしょう。

ミサコおばあちゃんは働き者です。この日も農産物販売所に出荷するためのカブを一日中洗っていました。「夜、ひとりで寝るのさみしくない?」の質問には「なあんも出ないよ(お化けとか)。へいきへいき」だそうですが...ほんと!?まつもとは心配です。

今回はミサコおばあちゃんたちの仕事道具をいれるための倉庫づくりですが、とにもかくにも、早く完成させなきゃ。ってことで、この日も早速作業にとりかかります。

「床つくり班」「屋根班」「建て具班」などに分かれて作業を進めます。前日に1棟建てているので取り組みが早い!

海野さんと同じく株式会社ユニバァサル設計から来てくれた田口達也さん。「僕は千葉出身なのですが、会社では図面を引くことが多く、木造建築に興味はあったものの、現場で大工仕事をやる経験はあまりなかったので本当にためになりました」とのこと。

「みんなでひとつのものを作り上げるというのは高校の文化祭以来かもしれません(笑)」わかるよ!和やかなムードで明るく頑張ってくれたたっちゃん、雰囲気が和みました。

京都から参加した高木葵さん。建築家ではなく一般のDIY木工が好きだという彼は、個人で今回の復興支援に参加してくれました。慣れた手つきでどんどん進めます。こういった一般の方の参加ってひょっとして一番嬉しいのかもしれません。

東京から仕事のついでに来てくれた奥村さんは材木屋の社長さんです。「東北の復興支援にも参加したし、テツヤはいつもユニークなことをやってくれるからね、期待してます」と言います。よっちゃんもいっしょにビスもみを手伝います。

前々回の復興支援で手伝ってくれた地元っ子・のんちゃんも応援にかけつけてくれました!「がんばるけんね!」と塗装をお手伝い。のんちゃんは絵を描くのがとっても上手なんです。可愛い女子がいると、男ばっかりの現場の空気もほころびます。

というわけでどんどん進めてまいりますよー

よーいしょ....

持ち上げてー!

ここが勝負どき!!よいせーー!!

入ったー!「ビスもんでー!」の声が飛び交う。仕事がはやい!

今回要となる部分を作るリーダーを請け負ったのは、ロア木工代表取締役のロア・ウィリアム、日本人とフランス人のハーフでお母さんは熊本の方です。フランスのマイスター制度にて家具職人・建具職人の修業を5年、日本東北地方にて宮大工・大工の修業を11年勤め上げた本格的な大工です。彼の仕事っぷりは本当に素晴らしく、現場のキリッとした雰囲気は流石でした。

「やればやるほどコツを掴んできていいものができて嬉しいです」と、もちろん日本語も流暢。DIYとは思えないくらいのクオリティのドームをたった半日で作り上げてしまいます。

そして同じくロア木工の可愛い”ミランダ・カー”(似てる)

...ではなく、レヴェック・ヴィクトル。22歳の彼はウィリアムも所属していたマイスター制度の修行真っ只中。ワーキングホリデーを利用して日本にやってきました。卒業までなんと7年!「その間結婚もできないんだ」らしいです。

「フランスとの違いはたくさんあるけれど、日本はエクセレント!(素晴らしい)です。デコラティブなフランスのデザインと違って日本のものはシンプルだけど、そこが奥深くて非常に難しい部分だと感じているよ」なんて素敵なことを言ってくれました。「僕は大工と建具屋さんの間のところを目指している。もっといろんなことを学んで帰りたいと思う」。頑張ってね、ヴィクトル。

21歳のモンタニエ・ヴァランタンもマイスター修行の真っ最中。「日本に来て感じたのはお互いを敬い、尊敬し合うという文化に感銘を受けたよ。知らない人と息をあわせ、言葉の壁を乗り越えてひとつのものを作り上げる喜びを感じることができてとても嬉しい。いろんな世界の人と知り合うという楽しさもあるよ」とのことで、一日中真剣に取り組んでいました。みんな真面目、そして細かい!!

そして、どん!と音がして振り返ったら。

おっと!このかっこいい男は誰だ??

ロア木工から来てくれた大工の菅原賢さん。今回は大工さんがたくさん来てくれました。「ウィリアムと昔に知り合って、もう一度24、5歳の時に再会して。そこから一緒に仕事したりしてます」とのことで在来工法(手刻みの仕事)をきっちり学んだ大工さんです。

フランス語もペラペラなのか!と思いきや、東北弁全開でロア木工チームのみんなと和気あいあいとやっていました。言葉の壁を楽々と乗り越えている。すごい。

静かにひたすら作業を進めてくれた菅原さん。くだけた態度でインタビューも照れながらでしたが、彼の持ち前の明るさにみんなリードされながら現場が進行していたのも事実です。

そして今回とりわけ頑張ってくれていたのは、神奈川から来たケイくんです。15歳になった彼は将来は大工を目指しており、今回の復興支援に是非行きたいということでやってきました。ウィリアムも親切丁寧にいろいろと教えてくれます。未来の弟子候補!

床の張り方も丁寧に指導してもらいます。スタッフの一員ですから。

ビスもみもだんだん慣れてきたぜ!やるぜやるぜ

大工を目指す彼に菅原さんは「大工?やめたほうがいいっすね、道具を揃えるのにお金がかかるよ」なんて言ってましたが、そんな本音を聞けるのもテツヤジャパンの復興支援ならではかもしれません。この世界の厳しさも辛さも楽しさも全部味わってきた本物の大工と一緒に仕事ができるなんて、彼にとっては夢の様な経験だったかも。

普段はいたって普通の男の子はスマホでゲームが大好きだけど「大工仕事はゲームよりはるかに面白い」らしいです。どんどん成長していく姿は本当に眩しい。若者よ、大志を抱け!その先には夢しかないぜ。

国際交流や大工体験など、様々な意味合いが強かった今回の復興支援。地元の方に喜んでもらえることがまず第一ですが、我々も楽しい時間を過ごさせていただきました。もちろん被災された方々の苦労を思うと計り知れないものがありますが、継続して被災地に赴いてやり続けることの意味が、だんだんわかってきたかもしれません。一期一会のメンバーではありますが、これからもテツヤジャパン改め復興支援ボランティア白樺隊は被災地へ駆けつけます。

みさこさんのつくったブロッコリーがおみやげ。

また来るよ、熊本。

■資金助成 

公益財団法人森村豊明会は、創立の初志を礎として、わが国の公益事業の先駆者の一つであることを自覚し、教育、学術、文化、福祉、その他の公益事業を行うものに協賛、助成し、その発展に寄与する事を目的としており、その目的を達成するために事業を行っています。

みなさんのお買い上げいただいたロシア白樺耐水合板の御代金1%は復興支援ボランティア白樺隊に寄付しています。

写真と文/まつもとまゆみ

◎テツヤジャパンはロシア白樺耐水合板の専門商社です◎

◎本棚など簡単な家具もお気軽にお作りします◎

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