しらかば探訪 vol.13

神奈川県横浜市「ハラダデザインアーキテクチュアスタジオ」

2011年に竣工した建築家の自宅兼アトリエ(西之谷の住宅|kigi)を訪ねてきました。

建築家はハラダデザインの原田一朗さん。 特徴:4x8のロシアンバーチを3x6モジュールにカットして使用し、端材(余った材料)で室内の造作、家具、建具を製作することによって、室内にシラカバの風合いが溢れる空間になっています。

ロシアンバーチの美しい木目を活かすため、目地やジョイントの位置を工夫したり、材料の小口の厚み(みえがかり)に統一感を持たせる設計と妥協ない施工。施工者が材木店を運営する工務店ということで、美しい木目が適所に使用されていた。 感想:設計者の自宅兼事務所ということもあり、しっかりメンテナンスされており、美しく年を重ねたロシアンバーチにまた惚れ直しました。

◎床材 1800x900x9mm オスモカラーのノーマルクリアを3度塗りし、竣工後にフロアクリアを2度塗りしている。 汚れは少なく、メンテナンスは週に1回の水拭きだけ。3年経つが、オイルの塗り直しはまだしていない。単板の剥がれも見られない。塗りたての時よりも、使い込むほどにツヤが出ている印象を受けた。「子供には滑るからスリッパを履かせない」というほど表面はスムーズ。

しっかり研磨してあり裸足で歩くと「畳とフローリングの中間の踏み心地が良くて気に入っている」(原田さん)とのことだ。

下地張(ラワン合板4mm)をしたのち、接着材を併用しながら、フロアネイルでバーチ合板を突きつけ張りしています。釘ピッチは300mm程度、サネは付けていない。 フローリングといえばサネ付きが一般的だが、ここはサネなし。 四隅が奇麗に収まっているが、高度な技術と時間が必要とされる。 「シナ合板よりキズが凹みになりづらいのが利点の1つ、サネは付いていた方が、施工者にとっては良いかも」(原田さん) 無垢フローリングを比較すると㎡単価は抑えられるが、職人泣かせの必殺技だ。笑

◎天井 1820x910x4mm

無塗装。こちらも床と同じく3x6サイズにカットしたバーチ合板を。

こちらは100mmピッチ程度で釘を打って仕上げている。

下地のラワン合板と仕上げ材で目地の位置を変え、2枚張りすることによって不陸を防いでいるらしい。

◎階段の踏み板

わかりにくいですが、1Fは地面より90cm程下がった場所にあります。 狭い敷地だったので、1Fを半地下にすることで高さ制限をクリアし、広々としたスペースを確保することができました。

1階と2階はほぼワンルームで吹き抜けで上下の階がつがっています。この為、階段も蹴込みを透かし、圧迫感の無いものとしたそうです。原田さんこだわりポイントです。

床と天井で余った9mmと4mmの端材を集めて40mmの厚みにプレスして段板を製作しています。バーチ合板は、9mmよりも4mmのものの方が厚みの割にプライ薄く積層数が多いことから表面が硬いため、踏み面側は4mm材が表になる様にしています。玄関から上がってすぐの汚れやすそうな場所だが、奇麗に保たれており、いい風合いが出ている。

階段裏面。スチールのササラに12mmの角棒を工場溶接し、ここに、建具職人が切り欠きを作った段板を渡しています。敷地が狭いため、ササラと段板を別々に搬入し現場で組み立てたそうです。板が空中に浮いてるように見えるでしょ。 積層数の異なるサンプルを製作し、実際に人がのってみて、剛性(撓み)を確認したそうです。こだわりポイントです。 ◎造作

棚板。床材で余った端材9mmは棚板に使用。 強度があるので、たった9mmでこんなに本を詰めてもたわまない。 ロシアンバーチの自慢ポイントです。 収納扉も木目が通る様に、4×8版の一枚板から切り出したものです。写真奥は共材の壁仕上げなので統一感があります。

手摺棚。こちらも表面材に天井材で余った派材4mmを突き板のようににして使っています。 北欧のマリメッコ柄とも相性抜群。お子さんが勉強机に使っているテーブルも原田さんのデザインです。

手摺棚の上面には、インテリアの統一感を材料そのものの丈夫さを考え、バーチ合板が使用されていますが、中間の段はシナ合板です。 見えにくいかな?2段目以降はシナ合板。エアコンの冷気が下階におりて行かない様に、手摺棚の背面にはスリガラスの様なアクリル板がはめ込まれています。

以上、レポートでした。 ちなみにご紹介させてもらった写真はほとんど1Fの住居スペース。 1Fに素敵なオフィスとダイニングキッチンがあります。 原田さんは仕事をしながら、お子さんの宿題を見たり、

ワンコ(タオルちゃん)の世話をしたり、

家族に料理を作ったり・・

ほとんどの時間を1Fで快適に過ごしている様です。 光がたくさん入る気持ちの良いお家でした。

おまけ

プロダクトデザインも手がけている原田さん。写真はルーター加工で作ったバーチ合板のお盆です。元々はバードテーブルを作ろうと思い加工を依頼したものだとのことです。 ご協力ありがとうございました! ==========================================

原田 一朗(はらだいちろう) <プロフィール> 建築家・一級建築士 1969年生まれ、北海道大学大学院工学研究科建築工学専攻 修士課程修了 ワークステーション(高橋 寛+晶子 共同主宰)勤務を経て、2000年ハラダデザイン設立 2004年 アクリルと高輝度高演色性白色LEDを用いた照明器具「プラトニックライトシリーズ」にてグッドデザイン賞受賞 2011年 西之谷の住宅|kigi にて 第15回木材活用コンクールで木材活用奨励賞 第56回神奈川建築コンクール住宅部門優秀賞 神奈川県の住宅設計、家具、インテリア、プロデクトデザインのご依頼はこちら ハラダデザインアーキテクチュアスタジオ

写真と文/小寺ヨシコ

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