しらかば探訪 vol.02
こんにちは。
旅女(たびじょ)、小寺ヨシコです。 突然ですが・・ 兵庫県神戸市にある「塩屋」(しおや)という海辺の小さな町をご存知でしょうか? 海と山が近くて、昔は外国人が住む町だったので洋館もちらほら。
そんな雰囲気と、昭和の香りが混ざりあう小さな港町に惹きつけられ、アーティストや面白い人たちが移住してくることも多い。かくいう私も、塩屋に魅了されて移住し、3年ほど住んでいた。 さらに、この町の"店ヂカラ"がすごい。 体によい素材で作るこだわりの豆腐屋さん「田仲とうふ店」
近くの漁港でとれた鮮度の良い魚が買える魚屋さん「魚一」
野菜のレシピをいっぱい教えてくれるおばちゃんがいる八百屋さん 「一休」
マニアックな雑誌の品ぞろえが半端ない小さな駅前の本屋さん 「リーブル塩屋書店」
1度食べたらまた食べたくなる、遠方からもリピーター率が高いカレー屋 「ワンダカレー」
店舗ではないが、海の見える庭付きの洋館を貸スペースにしている 「旧グッゲンハイム邸」
ライターの山森彩さん&こちら代表の森本アリさん。
それらのなかに、兵庫県の衣・食・住をコンセプトとしている「トランクデザイン塩屋」(カフェ・雑貨・ギャラリー・シェアオフィス)がある。 今回はここを訪ねてきた。 最近オープンしたばかりです。
店内に入るなり、象やカバのどでかいパネルが目に飛び込んできた。
おー、なんやこれ。 熱帯雨林に来たみたいだ、かっこいい! ギャラリースペースでもあるこのお店。この日は、熊本県在住のアーティスト・アドさんの作品がそこらじゅうに展示されていた。熊本県で震災があった日、アドさんはこの作品を関西の百貨店でトランクデザインと同じフロアで出展していた。トランクデザインとは4年前から熊本の百貨店催事で一緒だったこともあり、震災で熊本のアトリエが被害を受けていたため急遽、その作品たちを塩屋でできる復興支援として、しばらくここで引き取って展示することにしたそうだ。
パネルに動物を描く発想と、色のセンスが私にはどストライクです。 アドさん素敵や。ずーっと前からソコに在ったかのように、アドさんワールドがうまい具合に空間にとけ込んでいた。これ無しじゃ、この空間は成立しないんじゃないかってくらい。
でも、トランクデザインの色を出しつつも、何色にでも染まれるようにしてるこの空間がすごいんだ。ギャラリーの目的もあるから当たり前だと言われそうやけど。トランクデザインは、兵庫県の伝統工芸や地場産業を積極的にディレクションやプロデュースしているデザイン事務所だ。国内・海外へ地元・兵庫県のいいものをたくさんの人に知ってもらう活動の1つとして、このお店がある。カフェメニューや雑貨など兵庫県で生まれたものばかり。もちろんトランクデザインが手掛けたプロダクトもある。
播州織物でつくった服・ストール、播州刃物、兵庫県の農家でとれたシソジュースやバラの化粧水、兵庫県淡路市の葉っぱ型のお香。「そろばんビレッジ」オリジナルそろばん製作体験もここでできる。(*トランクデザインは「More Than Project」に参加して、この播州そろばんを海外へ広める活動もしていた)
兵庫県のおみやげ・ギフトを買うなら絶対にここで面白いモノがみつかる。朝食・ランチ・そしてお茶もできる。 ところで、ここの店舗内装に兵庫県産の材料が使われている。六甲山の間伐材、「神戸マッチ」工場から出た廃材、兵庫県産の杉。そのなかで、ロシア産のうちの材料が使われてる。
ホワイ? 会社がご近所なのでトランクデザインの代表取締役の堀内康広さん(以下ホーリー)とは以前から交流がある。しかし近所だからといって、コンセプトにそぐわぬ材料を無理して使うヌルい人ではないことはよく知っている。 なんで? ホーリーに聞いてみた。
「ぶっちゃけ、ロシア産の材料だから、お店のコンセプトに合わないしはじめは使いたくないと思ってた。店舗の担当をしてくれた設計と大工さんにからもロシアンバーチの話がでていたけど断り続けていたよ」ギャラリースペースはフレキシブルに動かせる棚。イベントの時に使うテーブルも、軽量で強度がある可動式の什器が欲しかったそうだ。
9mmの棚板はとても薄いです、でもじょうぶ!
テーブルの脚にも使われている。
「このテーブルの脚。向きを変えると、立ち飲みカウンターとか、展示台として使うのにちょうどいい高さになるねん。しかも、この寸法はロシアンバーチでないと成立しなかった。あと、今回気づいたことは、少ない構造で見た目がシンプルなモノを作るのにロシアンバーチは本当にいい材料やなと改めて思ったよ」 めったにおべんちゃらなど言わないホーリーからのありがたきコメントが胸に響きました。 トランクデザイン塩屋はどんな場所にしたいか聞いてみた。 「地元の人が来るだけではなく、外からも人が来る場所になってほしいな。自分たちが考える地元の衣食住を伝える場所にしたい。」 さいごに・・ 今年4月に塩屋のオープニングスタッフとして入ったお二人。ただの若い雇われスタッフではないオーラがバンバンでている。学生の時から、地域活性化の活動が大好きで、経験を積んできたという杉村浩毅さん。塩屋の町も前から興味があったところ、縁あってここで働くことになった。
「ここで働くことで、自分ひとりじゃ出会えるはずもないスゴイ人と出会えたり仕事ができたり、いい経験をさせてもらってます。トランクデザインを自分のためにどんどん利用しろって堀内さんも言ってくれてるので、ここで面白いことを考えて前に進んで行きたいと思います」 オランダにしばらく留学していて、ここに流れ着いたという下村眞子さん。どこにでも鉄砲玉のように飛び出していきそうなたくましいフンイキ。トランクデザインの可能性を広げていくためにも、ホーリー自らが若手のスタッフの活躍を望んでいることらしい。これからのトランクデザイン塩屋がどうなっていくのか楽しみです。
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TRUNK DESIGN / トランクデザイン
塩屋オフィス 〒655-0872 兵庫県神戸市垂水区塩屋町3-14-25 2F
tel 078-797-4940
詳しくはこちらをご覧ください(公式サイト)
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写真と文/小寺ヨシコ
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