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しらかば探訪 vol.09

静岡 FOAS大橋史人建築設計事務所 ヘーベルハウスを日本画家のアトリエ兼住居にリフォームした物件にロシアンバーチが使われたので見学に。建築家が手がけた、というと外観も派手というイメージだが、今回の物件。

外観は拍子抜けなくらいヘーベルハウスさんそのものです。 でも!彼の手にかかれば、また別の魅力を与えてくれるはず。

いつも全力投球で隅々までトリッキーな仕掛けを作る、

建築家の大橋史人さん。 今回はどんな感じになってるんでしょう。 ワクワク

ヘーベルハウスといえば...

耐震・耐久性に非常に優れる家づくりをしていることで定評があるらしい。茨城県の鬼怒川の結界の時にも他の家が全壊していく中でヘーベルハウスの家だけが残っており、そのおかげで一命を取り留めた人もいてニュースで脚光を浴びてましたね。 年数は経っている中古物件だがそのしっかりした耐久性を活用して中の工事に予算をかけることにしたそうだ。

ご紹介します。 大橋さん夫妻、お会いするのは何度目でしょう。数え切れない。

結構長いおつきあいになってきているなあ。 太陽みたいな笑顔の奥さんと

愛妻家で建築家の大橋さん

新婚ではないはずですが、 いつも奥様ののろけ話をナチュラルに会話に滑り込ませてくる大橋さん(笑) とてもいい感じです。 これまでも夫婦二人三脚で心のこもった素敵な物件を手がけてきている。

それでは、2Fリビングから。

窓からは近隣の畑と庭が広がる風景。

差し込む光と影が美しい。 気持ちいいですねーー! 「うん、住む人はとても気持ちがいいと思うよ。」

と、自信たっぷりに大橋さん。

照明も凝っている。

間接照明は1Fアトリエとお揃い

何気ない裸電球も美しい

めちゃめちゃ重たい真鍮のライト。

ぎゅっと詰まってるだけに小さいけど存在感あって見とれます。

1Fに降りる 階段の窓から漏れる光。 その光は下に繋がっていて・・

路地から漏れる光のよう。 1F廊下は玄関から緩く屈折していて、ほの暗い路地を歩くみたいにしたそうだ。

壁は漆喰のような質感の土壁

先ほどの階段横のまどから溢れる光によって

凹凸の壁がますます映える。 「この時間のここの窓からの影が綺麗だよ」と、大橋さん。

お話をしていると常に「光と影」というキーワードが出てくる。 陰影までが全部計算済みで、一日中家じゅうで美しい光と影が楽しめそうだ

こういうのを見るたび、 いつも想像してしまう。 静まりかえった夜中の事務所で図面に向かい、いろんなアイデアが降り注いできて

ニヤニヤしている大橋さんを。

右側のドアは、目に違和感のない優しい黒。土壁にもなじむ この黒は塗装ではなく和紙作家・ハタノワタルさんの和紙。 ハタノさんは和紙の里、京都府綾部市に工房を構えている。和紙に絵を描くアーティスト活動、そして建築の内装・家具に使える和紙を提案している。ハタノさんのアトリエ兼住宅では、和紙で仕上げた床が張られている。 日本画家のアトリエを作ることになり、大橋さんは以前から注目していたハタノワタルさんの和紙が合う!と思いハタノさんにラブコールを送った。 「京都府の工房までハタノさんに会いに行ってきました。」 静岡から会いに行ったそうです。

相変わらずアツい。 そんなわけで、オープンハウスの時も 「設計の説明よりハタノさんの和紙の説明にえらく力が入ってましたよ(笑)」 と奥さん。

そして1Fアトリエスペース。

日本画家として活動中の筧有子さんと娘さん。浜松学院大学の講師も勤めている。これからは絵描き教室・ワークショップなどここで開く予定。まだお子さんが小さいので家事と仕事が両立できるように住居にアトリエを作ったそうだ。

床は幅広サイズのロシアンバーチ

リボスというメーカーの塗料、「パイン」を布でふき取った後「ウォルナット」をコテパケで塗装。今回は予算の関係で大橋さんの奥さんが塗りました。 隅々まですごいきれいに塗られていますね! 「隅っこ(床と幅木の境目)は絵の具用の細い筆でぬりました!」と、奥さん

「さすがに僕にはできない細かい作業で、嫁がやってくれたので助かりました。」と、隙あらばのろけてくる大橋さん

調光ライトを使用。夜間も昼間と変わらない自然光に近い明るさに調整できる白く塗られた天井の反射を利用し光が拡散させるため間接照明を取り入れている。昼と夜に見る色って全然違って見えるから、絵を描くときに光はとても重要ですね。 このライトも緻密に光の反射を計算して設置されている

アウトセット金物を使用し、ドアの上レールが見えないようになっている

ドアは1枚の壁のように見えた方がいいし、

壁面同様に使ってもらいたいというこだわりから。

床のレールも木のレールで。 スペースが十分にない場所を広く使うため、開き戸は少なく大半に引き戸を取り入れている。

玄関からほぼまっすぐこのアトリエに風が抜ける窓と勝手口。 この物件を買った時、この部屋はカラオケ教室に使われていた。 防音のための厚い壁と4重サッシに包まれた閉鎖的な部屋だったそうだが室内側の防音壁・天井を取り外すことで、風通しの良い明るい部屋に生まれ変わった。 風の通り道にもこだわる。

「なるべく家と外の繋がりに区別をつけないで 半分外にいるような気持ちいい空間になるようにと、常に考えてます。」 と、大橋さん。 確かに、部屋のなかにいるんだけど

木陰にいるような気持ちいい感じがするのはそのおかげなんだな。

キラキラした土間 ガラス骨材・白いモルタルを混ぜて洗い出し、仕上げをした。 「土間はそのうち黒くなっていくので、

何か綺麗な石みたいなものが入ってた方がいいね」とのこと。

正面玄関。 一つ一つの厳選された素材

美しい光と影、外と繋がる小道のような廊下・・

みんながニコニコできる、そんな空間でした。アトリエそのものが絵画のキャンパスのような世界で、その床に張られた幅広のロシアンバーチはいつもと違う表情をしていた。

今回も大橋ワールドでいっぱい!

居心地のいい時間でした。

静岡市〜愛知県でお家を建てるならこちら↓ ◎FOAS大橋史人建築設計事務所

住所 静岡県静岡市駿河区西脇682-60C 電話 054-288-9050 お問い合わせ info@fo-as.com

◎筧有子日本画教室

写真と文/小寺ヨシコ

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