建築家に聞いてみた、ほんとうのはなし(前半)

こんにちは。

旅女・小寺さんとたまに旅をおつきあいしている松本です。

松本は実母、夫、子供ふたりとの5人暮らしです。

2年前に家を作りました。建築家に家づくりをたのみました。

ハウスメーカーに頼まなかったのは、”なんとなく”自分の思い通りの家はできないだろうなあという「カン」のようなものがはたらいたからです。その結果、頼んで良かったこと、そうじゃなかったこと、いろいろあります。

家づくりは、たぶんだけど一生に一回。とても大きな買い物です。自分の好きな家を作ることができて、私は建築家に頼んで良かったと思っています。でもそのとき、ママのお友達に言われたことは「建築家にどうやって頼むの?」という初歩的な質問でした。

そこでテツヤ・ジャパンでは、いつもよくしてもらってる建築家の高橋さんを呼んで、建築家の家づくりについて、主婦のみんなでいろいろと聞いてみることにしました。

左から2番目が高橋さん。いつも笑顔です。(左から女性:海野さん、渡部さん、杉浦さん)

高橋正彦(たかはしまさひこ)略歴 佐賀・高橋設計室所属、一級建築士。1967年東京都大田区生まれ。1989年佐賀和光+エー・アートに入社。1992年より佐賀和光が個人事務所を設立し、それ以降二人三脚で様々な建物を手掛ける。1999年8月佐賀が、逗子のサーフポイント大崎でサーフィンをしている中、海の上で死去。その後事務所を引き継ぎ現在に至る。

松本:高橋さん、こんにちは。

高橋:こんにちは。

松本:今日はこんな素敵なカフェでお話を聞かせていただいてありがとうございます。

umibe cafe


高橋:いえいえ、こちらこそよろしくおねがいします。

松本:こちらのカフェも高橋さんの設計だとか。

高橋:はい。もともと歯医者さんだったんですよ、ココ。

松本:えー!全然わからないですね。お家のリビングみたいでのんびりできます。ほんと、居心地いい。

店主こだわりのコーヒー。本格的なお味です!

松本:それで、本題なんですけど。今日は友達を連れてきました。ママさんばっかりです。

高橋:こんにちは。

一同:こんにちは。よろしくおねがいします。

海野:実は以前、わたしは高橋さんに会ったことがあって。

高橋:そうそう。マークイズでしたっけ?

海野:はい。真弓ちゃん家のオープンハウスで高橋さんのことは知っていたんだけど、横浜のマークイズで建築家の模型展をやっていたの、偶然通りがかって。私はもう家を買ってしまったんですけど、建築には興味があって模型展も拝見させていただきました。

高橋:ありがとうございます。

海野:主人も建築の仕事をしているので詳しいはずなんですが、そもそも建築家に頼む術がわからなかったんですよね。

【ほんとうは気になる建築家の存在】

高橋:みなさんそうおっしゃるんですよね。家を建てたい人たちにアンケートをとったら、全体の半分とか6割くらいは「建築家と建てたい」と書いてあるんです。でも実際、家を建てた人に同じアンケートをとったらですね、建築家と家を建てた人は全体の1割しかいない。なんでだろうなって思ってたんですけど、普通に建築家と知り合う場所がない。雑誌やテレビ、本を見ていきなり電話もしにくいしっていう。電話してる瞬間からお金かかっちゃうんじゃないかとかね(笑)

一同:そうそう。

高橋:そんなことは、ないんだけどね(笑)。とにかく、あらゆる面で敷居が高いとみんなに言われますね。

海野:建築家の展示会に行ったとしてもね、敷居の高さって感じると思うの。なんだろう、金額的に気軽に買えるような代物じゃないしね。もしここで仲良くなっちゃって、途中でなんか違うなと思ってお断りすることになってもそれはそれで気まずいかも。

渡部:そうだよね、あるある。仲良くなって断りづらくなるっていうの。

高橋:そーかぁ・・・

海野:ハウスメーカーだと、なんとなくこちら側が強く出ても良さそうな気はするんですよね、企業だから。でもハウスメーカーで建てるよりは、建築家の方に頼んだ方が良いものができるとは思うの。だけど一番心配なのはやっぱり予算かな。建築家って聞いただけでハウスメーカーよりは高いイメージがある。

【ほんとうに気になるお金のはなし】

高橋:お金の話をするとですね。建築は大きく分けて、「建売」と「注文」があります。基本的にハウスメーカーの建物は全体金額の6割が実際の工事費だという話もあります。わかりやすく話すと、たとえば1000万の建物のうち、約600万が工事費です。で、残りの分400万のうち、300万くらいが、宣伝広告費なんです。

海野:そんなにかかるんですか!?

高橋:うん、テレビCM見てても、有名な俳優さんがたくさん出てるよね(笑)。

一同:あ、ほんとだ・・・(笑)

高橋:あと、色んな所に住宅展示場を設営してますね。そういうのをふまえると、全体の工事費の3割くらいは宣伝広告費だと言われています。一方、建築家と建てる場合ですと、建築家が引いた図面に対して、見積もりを工務店にお願いします。通常は2、3社の工務店に図面を渡し、出てきた見積もり内容を査定をします。その結果、一番安いところではなくて、適正な金額を出していると建築家が判断したところを選定し、最終的に建築家とクライアントが相談して工務店を決定します。

渡部:建築家の方に頼むと設計料が別ですよね?テレビのリフォームの番組なんかで、素敵なお家が映っているのを観て「いいなーっ」て思うんですけど、よく見ると右下に小さく「デザイン費別」とか書いてあって。まずそこが怖いの(笑)

高橋:(笑)、そうですよね。そこがわからないと不安ですよね。設計料というのは、建築家によって違いはありますがだいたい建物の金額の10〜15%ということが多いですね。建築家の仕事は、設計だけじゃなく様々な手続きや、予算の調整、現場監理などのプロジェクト全体の統括を行う。それらの仕事を含めて設計料として工事費の約1割の金額を別にいただくということになります。ハウスメーカーが3割を宣伝費に使っている事に比べたら決して高くないと思うんですよね。

海野:お金の流れが明確なのは嬉しいですね。あと建売は、すでに建っているものに対してお金を払うっていうだけですもんね。

高橋:ハウスメーカーがどうやって工事費を下げているかというと、たくさん建てているからなんですよね。材料をたくさん仕入れるから安くしてねという方法で工事費を下げています。

一方、建売の場合はもっと安く建てるために人件費を下げる事を考えます。職人さんの仕事は通常仕事にかかった日数で支払われますが、建売は1棟につきいくらという形で支払いをします。そうすると、職人さんも短期間で仕事を終わらせようとします。速く作って速く売る。僕たち建築家からすると、まっとうな金額でまっとうなものを作るということからはかけ離れているように感じます。でも、早く家が欲しい人やローコストという部分に重きをおく人には納得してもらえますよね。

このように、どんなかたちで家を手に入れるかによって選択肢が変わってくるかと思いますが、その選択肢の中に建売やハウスメーカーを選ぶのと同じくらいに建築家との家づくりを入れてもらえたら嬉しいなーって思います。

【土地探しからつきあってくれる】

海野:まだ住む土地が決まっていない場合、土地探しからお願いすることってできるんですか?

高橋:うん。できますよ。知り合いの不動産屋さんに、ここらへんで土地を探している人がいるんだよねっていう形で情報をとることはできますね。あと、あの土地が気に入りましたと連絡を頂いて、一緒に見に行ったりして、土地から家づくりを考えることもあります。条件が良くない土地というのは金額が安いですよね。変形だったり狭小だったり。しかし、工夫次第では、その土地の良い部分を生かした設計をする事ができますし、土地が安い分建物に予算をかけられますよね。

海野:変な形の土地でもいいから、相談しながら進めていくって理想だったなあ。

渡部:本当は土地から探したほうがいいんだけど、建売やハウスメーカーがついてる注文建築だと、手っ取り早くてわかりやすいんですよね。駅から何分とか、ぱっと見て理解しやすい。あと、古家がついている場合は、まだ住めるのか、とり壊すのか、それならそれでどうすれば良いんだろうとか考えなくちゃいけないし。

高橋:最近増えてきているのは、古い家が付いている土地を買ったんだけど、それをリフォームするか建て替えするかという相談ですよね。

渡部:そう!古い家が素敵なんですよ。最近のテカテカした家はどうも好きになれないかも。

高橋:時間を経た良さというのがありますからね。建築家に頼む場合、土地を探すところから、家を一から建てる場合だけじゃなくて、すでにある物件のリフォームも可能なんですよ。おっしゃられるような古い家の「味」を残しながら。

杉浦:ちょうど、主人の実家の隣のおばあちゃんの家を更地にして建てるか、今ある古い家をリフォームするかという話が出てるんです。ほら、昔の家ってみんな背丈が小さかったから、ドアとかが低くて。主人も背が高いから当たってしまって、そのままではどうも住めないなと。そこで、右も左もわからないから住宅展示場に出向いて見積もりを出してもらったらとんでもない金額が出てしまって。

高橋:はいはい。

杉浦:義理の妹が建築家と家を建てたので話を聞いたら、予想外にローコストで仕上がってて。なんだ、そんなこともできるんだって思ったんですよね。

高橋:うん、予算をある程度設定することはもちろん可能ですから、建築家との話し合いの中で決めていくことができますね。

杉浦:だけど主人が調べていくなかで、建築家の方にちょっと尋ねたことがあるんです。その方は、自分のスタイルじゃないと受け付けません!みたいな頑固な方だったみたいなんですよ。

高橋:僕の場合はですね、問い合わせに来たりとか、興味をもって来てくれた方にお話しているのは、気になる建築家がいればたくさん会ってくださいっておすすめしています。出会ってから家づくりが完了するまで、最低でも1年くらいかかるわけです。そうすると、この人ちょっとやだな、とかあるとね。やはりちょっと難しい。その建築家がどういう人間なのかっていうのは重要な気がしています。最初の敷居が高いというところのお話のなかに、個人でつきあうから断りづらいっていうのがあるかもしれないんですけど、どういう人なのかを感じながら、一緒にやっていける人と家づくりをしていくのはかなり大切です。

まだまだつづきます。次号、おたのしみに!

写真と文/まつもとまゆみ

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